FC2ブログ

2つの封筒問題:交換のパラドックス - その、期待できない「期待値」

【更新履歴】
2017.01.08:
〈「2つの封筒問題」の「期待値」は、その算出において、これから行う試行ではない試行の実現値、つまり実現しない「実現値」を含むが故に偽期待値である〉という主旨はそのままですが、その解説を大幅に改修しました。

2017.10.15:
◆補遺:私の〈金額の分布が明確な場合でもパラドックスは発生する〉という主張に対する批判への反論」を追記しました。
それに伴い、Kindle版を(第2版)に改版しました。

2018.01.10:
本記事の一部を Kindle版でのみ公開するようにしました。
ブログの記事なら、ひとのアイデアを平気で剽窃する輩が出てきたので。

2018.03.11:
Kindle版を第3版に改版しました。
また、「偽期待値」という呼称を「期待値モドキ」に変更しました。




【問題A】
 ここに二つの封筒がある。
 今 あなたは一つの封筒を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここであなたは次のような提案をされる。
 「あなたはその1万円入りの封筒をそのままもらうこともできますが、
  その1万円を元手にゲームをすることもできますよ。
  そのゲームでは、コイントスして、表が出れば 2万円が貰えます。
  でも、裏が出たら 5000円しか貰えません。
  どうしますか?」
 あなたは、このゲームを辞退すべきか、それとも乗るべきか?

 【答】
  このゲームをした場合の期待値を計算すると、

   5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

  そうすると、

   封筒をそのまま貰った場合:10000円 < ゲームをした場合の期待値:12500円

  なので、
  このゲームには乗るべきである。

では、次の問題はどうだろう。

【問題B1】
 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?

 【答】
  封筒の中の金額が a < b か、それとも a > b か、は五分五分の確率なので
  どちらの封筒を選んだほうが得ということはない。

【問題B2】
 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?

 【答】
  封筒b の中身の期待値を計算すると、

   5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

  そうすると、

   封筒a をそのまま貰った場合:10000円 < 封筒b に換えた場合の期待値:12500円

  なので、
  封筒b に交換すべきである。


『絵解きパラドックス』(監修:高橋昌一郎) の「交換のパラドックス」の項から流用、でも大幅に改変


【問題B1】のような場合、普通、その【答】ように、

 封筒の中の金額が a < b か、それとも a > b か、は五分五分の確率なので
 どちらの封筒を選んだほうが得ということはない。

で 済ませてしまいがち - それに、この【答】は明らかに正しい - ですが、
敢えて 封筒a の金額をX として「封筒bの中身の期待値」を計算してみると ・・・

 封筒bの金額の「期待値」
あれれ?
封筒bの金額の「期待値」は、封筒a の金額の 1.25倍?
【問題B2】の場合ように、封筒a の金額を確認して、それが たとえいくらであったとしても、
封筒bの金額の「期待値」は、封筒a の金額の 1.25倍
それじゃ、
封筒bの金額の「期待値」に従うなら、封筒b に交換すべき???
これがいわゆる「2つの封筒問題(The Two Envelopes Problem)
あるいは「交換のパラドックス(The Exchange Paradox)」というやつですが、
その「交換すべきである」という答え、そして その根拠である「期待値」、明らかにおかしいです。

次の章では、「2つの封筒問題」に取り組む前に、
まずは、そもそも「期待値」とはどういうものか、を考えてみます。

■ そもそも「期待値」とはどういうものか

「期待値」とは、ある試行(a trial)を無限に行った場合に〈実現〉する全ての実現値の平均値です(*1)
(以降、特に断わりなく「試行」とある場合、その結果が偶然によって決まるもの、つまり"無作為的な"実験や観測のことです)。
なので、
ある試行の期待値の算出に含まれる実現値は、ある試行を無限に行えば、その全てが、それぞれの確率分布に従って、必ず〈実現〉します。
言い換えれば、
ある試行の期待値の算出に含まれる実現値のいずれもが、その試行の結果として〈実現〉する可能性があります。
例えば、

あなたはカップに一つのサイコロを入れて振り、カップを伏せた。
カップの中の出目の期待値は?


サイコロ
図 1

 ( 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 ) × 1/6 = 3.5

試行〈サイコロを振る〉の「期待値」の算出に含まれる実現値 { 1, 2, …, 6} のいずれもが、その試行の結果として〈実現〉する可能性があります。
また、冒頭で紹介した【問題A】


「あなたはその1万円入りの封筒をそのままもらうこともできますが、
 その1万円を元手にゲームをすることもできますよ。
 そのゲームでは、コイントスして、表が出れば 2万円が貰えます。
 でも、裏が出たら 5000円しか貰えません。
 どうしますか?」

の場合の期待値
コイントス
図 2

 5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

試行〈コイントス〉の「期待値」の算出に含まれる実現値 { 5000, 20000 } のいずれもが、その試行の結果として〈実現〉する可能性があります。

それでは問題、

【問題C】
ここに、二つの箱がある。
どちらの箱にも三枚の数字の書かれたカードが入っていて、
それぞれ、

  { 1, 2, 3 }
  { 2, 4, 6 }

であることはわかっているが、どちらの箱に どちらの数字の組が入っているかまでは分からない。
今あなたは片方の箱を選び、その中に手をいれて、無作為にカードを1枚取り出した。
… (以降、【ケース1】 もしくは 【ケース2】 に分枝)


それでは、まずは…

【ケース1】

取り出したカードの数字が"1"だった場合、
さらに 同じ箱からカードを無作為に もう一枚取り出すとするならば、
そのカードの数字の期待値はいくらか?


カード1
図 3

 ( 2 + 3 ) × 1/2 = 2.5

これは、{ 2, 3 } が残っている封筒から「カードを無作為に一枚取り出す」という、ひとつの試行:Tssaを無限に行った場合に「実現」する、全ての実現値の平均値なので、期待値としてなんの問題もありません。

では、今度は…

【ケース2】

取り出したカードの数字が"2"だった場合、
さらに 同じ箱からカードを無作為にもう一枚取り出すとするならば、
そのカードの数字の期待値はいくらか?


カード2
図 4

 ( ( 1 + 3 ) × 1/2 + ( 4 + 6 ) × 1/2 ) × 1/2 = 3.5

この「期待値」、一見するとなんの問題なさそうですが、ホントにそうでしょうか。
繰り返しますが、
「期待値」とは、ある試行(a trial)を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値です。
ところが、この「期待値」の算出には、
{ 1, 3 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssa と、
{ 4, 6 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssb の
"二つ"の試行が含まれていて、
プレイヤーには自分が今やろうとしている試行が二つの試行:Tssa/Tssb のどちらなのか分かっていません。

く(  ̄o ̄)y-~~
「で、それがなにか?
 確かにプレイヤーは自分が今やろうとしているのが、
 二つの試行:Tssa/Tssb の内、どっちなのか、分かり様がないけど、
 現実に どちらかなのは間違いないんだから、
 Tssa を無限に行った場合の全ての実現値の平均値:2 と
 Tssb を無限に行った場合の全ての実現値の平均値:5 の
 平均値:3.5、これって あてにできる期待値じゃん」

では
ここで、ちょっと後戻りして、
・・・・・・
〈この間は コチラでお読みください〉

2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉 Kindle版2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉
Kindle版

(2018/03/11 改版)
遅読猫
・・・・・・
例えば、サイコロを振って"1"が出た場合、当然誰から見ても、〈実現〉したのは"1"です。
プレイヤーにとっては"1"が〈実現〉して、胴元にとっては"2"が〈実現〉する、なんてことは有り得ません。
つまり、ある試行を行って〈実現〉する結果は、純粋に客観的なものです。
そして、またまた繰り返しになりますが、期待値とは、今から行われる ある試行のみを無限に繰り返した場合に実現する全ての実現値の平均値です。
なので、
期待値の算出では、客観的な、無限回の実現値の〈実現〉の〈連なり〉、つまり、実際にその試行を無限回行えば実現する可能がある〈連なり〉を想定することになります。
なので、
この客観的な〈連なり〉の構成要素である実現値が そこから取り出される、いわば標本空間(sample space)も客観的に存在する、つまり、現実にその標本空間”しか”存在していない、と想定することになります。
そして、無限の〈連なり〉における、"1"、"2"、... 、"6"それぞれの実現値の出現頻度もまた客観的に同じなので、期待値の算出において それぞれの実現値に重みをつける 1/6 という確率もまた客観的なものです(この確率の客観性については、すぐ後でまた論じます)。
よって、
期待値の算出において必要となる想定は、その全てが客観的であり、そこに主観が入り込む余地は全くありません。
ですから、
真の期待値は純粋に客観的なものです。
なので、
たとえある算出結果が実現値の平均値であっても、
その算出の際の想定に主観的なものが入り込んでいれば、
それはもはや期待値ではなく、いわば〈期待値モドキ〉とでも呼ぶべきものです。


サイコロ投げの期待値の算出、

 ( 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 ) × 1/6 = 3.5

における標本空間 { 1, 2, 3, 4, 5, 6 } は、実体のある(客観的な)サイコロの目として実在しています。
なので、{ 1, 2, 3, 4, 5, 6 } のどれもに、サイコロを投げた結果として、それが〈実現〉する可能性があります。
よって、サイコロ投げの期待値:3.5 は真の期待値です。

それから、先に挙げた【問題A】の期待値、

 5000 × 1/2 + 20000 × 1/2 = 12500円

の場合、胴元は、あなたがコインを投げる前から、標本空間 { 5000, 20000 } を、実際に(客観的に)準備していなければなりません。
なぜなら、{ 5000, 20000 } のどちらにも、あなたがコインを投げた結果として、それが〈実現〉する可能性があるからです。
よって、【問題A】の期待値: 12500も真の期待値です。

そして、「今あなたが片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」場合の期待値、

 ( ( 1 + 2 + 3 ) × 1/3 + ( 2 + 4 + 6 ) × 1/3 ) × 1/2 = 3

も真の期待値です。
この場合、二つの標本空間 { 1, 2, 3 } と { 2, 4, 6 } は、カードを1枚取り出そうとしている〈今〉、どちらも二つの箱 それぞれの中の三枚のカードとして(客観的に)実在しているからです。
そして、この二つの標本空間のどちらもが客観的に存在しているからこそ、試行Tsfa と 試行Tsfb を、その標本空間が { 1, 2, 3, 2, 4, 6 } である ひとつの試行Tscに〈還元〉できた訳で、 { 1, 2, 3, 2, 4, 6 } のどれもに、試行Tscの結果として、それが〈実現〉する可能性があります。

さらに、【ケース1】の期待値、

 ( 2 + 3 ) × 1/2 = 2.5

この場合、標本空間 { 1, 2, 3 } のみが、箱の中に残っている二枚のカード { 2, 3 } として(客観的に)実在しています。
なので、 { 2, 3 } のどちらも、試行「二枚目のカードを取り出す」の結果として、それが〈実現〉する可能性があります。
よって【ケース1】の期待値も真の期待値です。

ところが、【ケース2】の「期待値」、

 ( ( 1 + 3 ) × 1/2 + ( 4 + 6 ) × 1/2 ) × 1/2 = 3.5

この場合、先の「今あなたが片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」場合と違って、
二つの標本空間 { 1, 2, 3 } と { 2, 4, 6} の どちらか”だけ”が箱の中の残っている二枚のカードとして(客観的に)実在しています。
選んだ箱から取り出した”2”のカードは一枚だけなので、
もし標本空間 { 1, 2, 3 } 、つまり”2”が抜かれて { 1, 3 } が残っている箱が実在しているのであれば、標本空間 { 2, 4, 6 } 、つまり”2”が抜かれて { 4, 6 } が残っている箱は実在していません。
逆もまたしかり。
つまり、二つの標本空間 { 1, 2, 3} と { 2, 4, 6 } のどちらかは「あなた」の主観にしか存在しません。
なので【ケース2】の「期待値」は、主観的な想定の上で算出されているが故に、期待値モドキです。

 ( ( 1 + 3 ) × 1/2 + ( 4 + 6 ) × 1/2 ) × 1/2 = 3.5

この計算は、単に、実際に { 1, 3 } のカードが入っている箱から一枚を取り出す場合の真の期待値と、実際に { 4, 6 } のカードが入っている箱から一枚を取り出す場合の真の期待値の平均値を算出しているだけであって、【ケース2】の真の期待値でもなんでもない、なんの意味もない只の値にすぎません。

(; ̄д ̄)/
「でもさ、二つの標本空間 { 1, 3 } と { 4, 6 } のどちらかが「あなた」の主観にしか存在しない、としてもだよ、それがどちらか分からない以上、どちらの標本空間の実現値も実現する可能性はある訳で、つまり、たとえ主観的に想定した実現値であっても、その実現を”期待”できるってことじゃん。
だったら、〈主観的に想定した実現値〉だって”期待”値の算出式に混ぜ込んでも、別にいいじゃんよ」

【ある猟師の話】

昔々あるところにひとりの猟師がいました。 
ある日、このところ さっぱり獲物が獲れないので、猟師は、猟が禁じられている〈聖なる山〉に入りこんでウサギを仕留めてしまいました。
すると、これに怒った山の神は猟師に魔物を差し向けました。
魔物に捕まった猟師は摘みあげられ、今まさに魔物の大きく開いた口の中に…と、ここで山の神が猟師をある場所へ瞬間移動させました。 
そこは…

【続きA】
…ある一本道の上で、猟師の向いている方向を少しいった先で道は二股に分岐しています。
(絶対に嘘はつかない)山の神の声が聞こえてきました。
「その二つの道のうち、ひとつは、魔物を撃退して必ずお前を助けてくれる魔法使いの家に通じている。
お前の後ろからは魔物が迫っているが、今から走っていけば、魔法使いの家にたどり着けるはずだ。
だが、もうひとつの道は崖の上で行き止まりになっている。
さあ、すぐに どちらかの道を選んで先に進むんだ。
言っておくが、道から外れて どこかに身を隠そうとしても、魔物は必ずお前を見つけ出すぞ」…

【続きB】
…ある一本道の上で、猟師の向いている方向へも、ずっと一本道のまま続いています。
(絶対に嘘はつかない)山の神の声が聞こえてきました。
 「その道は、魔法使いの家に通じるか、もしくは、崖の上で行き止まりになっている。
さあ、先に進むんだ…(他の状況説明は【ケースA】と同じ)…」


【続きA】の場合、
「魔法使いの家」と「行き止まり」どちらに行きつくか、確率はどちらも 1/2 ずつです。
どちらも実在しているので、この確率 1/2 は、実在するものに対する猟師の”期待”が、どちらかの道を選択するという試行の結果として〈実現〉するかどうかの客観的な確率です。 
なので、【続きA】をゲームのように何度でも繰り返すことができる(当然その都度、猟師の記憶もリセットされる)とすれば、猟師が助かった場合と助からなかった場合は半々で〈実現〉します。

【続きB】の場合も、
「魔法使いの家」と「行き止まり」どちらに行きつくか、確率はどちらも 1/2 ずつです。 
ところが、この場合は、「魔法使いの家」と「行き止まり」どちらかは、そもそも存在すらしていないかもしれません(もし、「魔法使い」なんて存在していなかった、としても、山の神は嘘をついてはい”ない”ことに留意して下さい。 命題「南極大陸に生息している鳥は、ペンギンか、もしくは ロック鳥である」は”真”です)。 
それでも、山の神が本当に猟師に生き延びるチャンスを与えようとしているのか、それとも、ただ猟師の恐怖を長引かせようとしているだけなのか、その真意がわからない以上、猟師は「魔法使いの家」と「行き止まり」のどちらをも”期待”することはできます。
なので、一本道を進んで行ってどちらに行きつくか、確率はどちらも 1/2 ずつなのですが、この確率 1/2 は、猟師の”期待”が〈実現〉する確率では”なく”、そもそも、猟師が”期待”する「魔法使いの家」あるいは「行き止まり」のどちらが道の先に実在しているか、という猟師の主観による確率です。 
なので、猟師は確率 1/2 で「魔法使いの家」の〈実現〉を”期待”しているつもりでも、実は この確率 1/2 は「魔法使いの家」が存在する確率なので、実際に【続きB】をゲームのように何度繰り返しても、つまり”期待値的”には、猟師は全ての回で助からない(「行き止まり」)か/全ての回で助かる(「魔法使いの家」)か、です。 
もし、道の先が「行き止まり」ならば、【続きB】を何度繰り返したところで、そもそも実在すらしていない「魔法使いの家」が〈実現〉することはなく、そして逆もまたしかり、ということです。

で、「今あなたが片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」場合の期待値の算出式、

 ( ( 1 + 2 + 3 ) ×1/3 + ( 2 + 4 + 6 ) ×1/3 ) ×1/2 = 3

の最後の 1/2 は、【続きA】と同様に、〈今から行う試行の結果として、「あなた」の”期待”する実現値が〈実現〉するかどうか〉の客観的な確率(の一部。 これに、これまた客観的な確率 1/3 をかければ、実現値が〈実現〉する確率)です。
それに対して、【ケース2】の「期待値」の算出式、

 ( ( 1 + 3 ) ×1/2 + ( 4 + 6 ) ×1/2 ) ×1/2 = 3.5

の最後の 1/2 は、【続きB】と同様に、〈今から行う試行とは全く関係ない、「あなた」の”期待”する実現値が そもそも実在するのかどうか〉の主観的な確率です。

 このように〈主観的に想定した実現値〉を「期待値」の算出式に混ぜ込むと、それに伴い、実現値が〈実現〉する、客観的な確率では”ない”確率も混ぜ込まれるので、その算出結果は、真の期待値ではありません。 
ある試行 ( a trial ) を無限に行った場合に〈実現〉する全ての実現値の平均値が期待値である以上、期待値の算出式において、実現値に〈重み〉を付けることができるのは、〈ある試行の結果として、その実現値が〈実現〉するかどうか〉の客観的な確率”だけ”だからです。

 さて、これで、真の期待値と、平たく言えば”無い物ねだり”以外の何物でもない期待値モドキを見分けることができるようになりました。 
それでは、いよいよこれから「2つの封筒問題」を考察して、「封筒のパラドックス」の根源である「期待値」は、実のところ、〈どんなときも交換した方が得である〉という馬脚を現した、期待値モドキであることを明らかにします。

■ 「2つの封筒問題」における 期待できない「期待値」

前章の【問題C】の、箱の数を二つから三つに増やし、
ひとつの箱の中のカードの枚数を三枚から二枚に減らし、
さらに、カードに書かれた数字も変えます。
すると…

ここに、三つの箱がある。
どの箱にも二枚の数字の書かれたカードが入っていて、
それぞれ、

  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }

であることはわかっているが、どの箱にどの数字の組が入っているかまでは分からない。
今あなたは ひとつの箱を選び、その中に手を入れて、無作為にカードを一枚取り出した。

さらに、
この問題の、「箱」を「封筒のペア」に、
「箱の中のカード」それぞれを、「紙幣の入っている封筒」に換えるだけで
次の【問題D】となります。
なので、
次の【問題D】は【問題C】と全く同型です。

【問題D】
ここに封筒の(輪ゴムで合わせた)ペア、三組がある。
それぞれの封筒には紙幣が入っていて、それぞれのペアの金額が

  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }

で あることは、あなたも友人も知っているが、
封筒の外観はみな同じなので、どの封筒のペアがどの金額のペアなのかまではわからない。
あなたは、三組の封筒のペアの中から、無作為に一つのペアを選んだ。
そして、そのペアの片方("封筒a"とする)を あなたがとり、もう片方("封筒b"とする)を友人がとる。
と、あなた達は「お互いに封筒を交換してもよい」と言われる。
・・・


まだ、「あなた」は 封筒a の中身を確認していません。
この時点での封筒a の中身の期待値は

 ( (05000 + 10000) × 1/2 +
 ( (10000 + 20000) × 1/2 +
 ( (20000 + 40000) × 1/2 )
 ( × 1/3 = 17500

そして、封筒b の中身の期待値も 17500。
これらの、「封筒の中身の期待値」は、
先の【問題C】の「最初に選ばれるカードの期待値」と全く同じもので、真の期待値です
(この【問題D】の場合は、
 「三組の封筒のペアの中から一つのペアを選ぶ」という試行が行なわれる「世界」
 と、
 そこから分枝する、三つの「世界」、
 「ペア { 05000, 10000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 「ペア { 10000, 20000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 「ペア { 20000, 40000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 の、計四つの「世界」が、
 「六つの封筒 { 5000, 10000, 10000, 20000, … } から ひとつの封筒を選ぶ」
 という試行が行なわれる ひとつの「世界」に還元できることに留意のこと)。
以上は、封筒b の中身を確認していないのであれば、友人からみても同じこと。
なので、「あなた」にとっても 友人にとっても

 封筒a の中身の期待値:17500
 封筒b の中身の期待値:17500

よって、これらの期待値から判断しても
「あなた」も 友人も 互いに封筒を 交換しようが/しまいが、どちらが得ということはない。
ここまでは、まったく問題なし。

では、ここで、
あなた達は「自分の選んだ封筒の中身を確認してもよい」と言われた、とします。
そこで、あなたが封筒a の中身を確認すると1万円でした。
なので、「あなた」は次の図のような事象の分枝(「枝」の高さはその事象の確率に対応しています)をイメージして、

封筒3組「あなた」
図:「あなた」からみた事象の分枝

封筒b の中身の「期待値」を

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

と 算出します。

一方、
友人が 封筒b の中身を確認すると2万円でした。
なので、友人は次の図のような分枝をイメージして、

封筒3組「友人」
図:友人からみた事象の分枝

封筒a の中身の「期待値」を

 (10000 + 40000) × 1/2 = 25000

と 算出します。
となると、

 「期待値」を当てにするなら(*2)
 初めに 封筒のペア { 封筒a, 封筒b} の どちらの封筒を選らんでいようが、
 選んでいない方の封筒に交換したほうが得である。
 つまり、
 封筒a を選らんでいれば、封筒b に交換したほうが得であり、
 封筒b を選らんでいれば、封筒a に交換したほうが得である。

という 「交換のパラドックス」が発生することになります。
(え~? 金額の確率分布がハッキリしてりゃ、パラドックス、発生しねぇだろ?って方は、まずコチラを…
どうして、こんなパラドックスが発生するのか?
もう お分かりだとは思いますが、
それは、「あなた」や友人が算出した「期待値」は、先の【問題C】の【ケース2】の「期待値」と同じく"期待値モドキ"だからです。
 「あなた」の場合に話を絞るなら、「封筒aを封筒bに交換する」という二つの試行 Tca / Tcb が【問題C】の【ケース2】の「箱に残っている二枚のカードから無作為に一枚を選ぶ」という二つの試行 Tssa/ Tssb に該当します。 
そして、【問題C】の【ケース2】と同じように、二つの標本空間、
「あなた」が〈今〉、その片方が 10000 円であることを確認したペアの残りとしての { 5000, 10000 } と、
「あなた」が〈今〉、その片方が 10000 円であることを確認したペアの残りとしての { 10000, 20000 } は、
そのどちらかが実在して、どちらかは「あなた」の主観にしか存在しません。 
なので、【問題C】の【ケース2】と同様、「あなた」の算出した「期待値」、

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

は、今から行う「封筒a を 封筒b に交換する」という ひとつの試行の期待値ではなく、
試行:Tca の真の期待値:5000 と
試行:Tcb の真の期待値:20000 の
単なる平均値、"期待値モドキ"です。

以上の私の論述は、
このように、

  { 02500, 05000 }
  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }
  { 40000, 80000 }

準備する封筒のペアを 五組に増やしても、
さらには、ペア { 10000, 20000 } の上下に、それぞれユニークな封筒のペアをどんどん増やしていって何組にしようとも、なんら変わるところは有りません。
そして、
最終的に ユニークな封筒のペアを無限にすると、
・・・・・・
〈この間は コチラでお読みください〉

2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉 Kindle版2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉
Kindle版

(2018/03/11 改版)
遅読猫
・・・・・・
つまり、
胴元が財布の紙幣を封筒に移して、その場で ひとつのペアを作ろうが、
そこには、なんらの違いもない
‐‐ からです。


 2つの封筒問題

 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?


この 典型的な「2つの封筒問題」の場合の事象の分枝のイメージは、
次の図のようになります。

典型

図:典型的な「2つの封筒問題」の事象の分枝

この図では、例えば { 2500,  5000 } のような
百円単位以下が 0 でない金額を含む封筒のペアは省略していますが、
そのことは ここでの私の論弁には全く影響はありません。
そして、
この「2つの封筒問題」の場合の事象の分枝のイメージは、
先の 準備された封筒が三組だけの場合(図:「あなた」からみた事象の分枝)と 本質的に なんら変わるところはありません。
なので、
「2つの封筒問題」の答は次のようになります。


【答】
封筒a をそのまま貰おうが、封筒b に交換しようが、
どちらが得ということはない。

【解説】
封筒a の中身は1万円なので、
今、ゲームで使われている封筒のペアは、

  { 5000, 10000 } / { 10000, 20000 }  

の どちらかであり、
そして、どちらがより確からしいという根拠は何もないので、

 封筒b の中身が 05000 である確率 : 1/2
 封筒b の中身が 20000 である確率 : 1/2

とするしかない。
となると、
封筒b の中身の「期待値」を、

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

と算出できるように見えるが、
この算出では、これから行う ひとつの試行:「封筒a を 封筒b に交換する」では実現しない実現値も含まれている為、
つまり、
ひとつではなく、
 { 05000, 10000 }
 { 10000, 20000 }
という、どちらかは実在していない、二つの標本空間を想定してる為、
この「期待値」:12500 は、これから行う ひとつの試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値ではなく、
今ゲームに使われている封筒のペアが
{ 05000, 10000 } の場合の試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値 と
{ 10000, 20000 } の場合の試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値 との
単なる平均値にすぎない。
よって、
「期待値」:12500 は 封筒b の中身の真の期待値ではないので、なんらの指針とも成り得ず、
「あなた」に言えることは、ただ

 封筒b の中身は 各々確率 1/2 で、5000 / 20000 のどちらかである

ということだけ。
なので、結論は、

 封筒a をそのまま貰おうが、封筒b に交換しようが、
 どちらが得ということはない。


最後に改めて、真の期待値の算出と期待値モドキの算出を対比して、式自体は同じであっても、その本質は全く異なることを確認しておきましょう。
先の【問題A】(コイントスの結果によって5千円か2万円がもらえる)で算出する真の期待値

 5000 × 1/2 + 20000 × 1/2 = 12500

は、"ひとつ"の標本空間{ 5000, 20000 }が設定された、〈コイントス〉という"ひとつ"の試行についてのもので、
5000円にかけられる 1/2 は、5000円が〈実現〉する確率で、
20000円にかけられる 1/2 は、20000円が〈実現〉する確率です。
一方、
「2つの封筒問題」で算出する期待値モドキ

 5000 × 1/2 + 20000 × 1/2 = 12500


そのどちらかは存在していない、"二つ"の標本空間、
 { 05000, 10000 }
 { 10000, 20000 }
それぞれが設定された、いずれも〈封筒bに変える〉という、"二つ"の試行が混ぜ込まれており、
5000円にかけられる 1/2 は、
〈今〉行おうとしている試行が、標本空間{ 5000, 10000 }が設定された〈封筒bに変える〉という試行である確率で、
20000円にかけられる 1/2 は、
〈今〉行おうとしている試行が、標本空間{ 10000, 20000 }が設定された〈封筒bに変える〉という試行である確率です。

ついでにいうなら、
「2つの封筒問題」の「封筒を交換した場合の期待値」の算出には、
必ず、「自分が選んだ封筒に確認した金額」の2倍の金額の 1/2 の項が有るので、
この期待値モドキ:「封筒を交換した場合の期待値」は、
「自分が選んだ封筒に確認した金額」がいくらであろうと、
必ず、「自分が選んだ封筒に確認した金額より大きくなる」という馬脚を現すことになります。
そして、
この「馬脚」こそが「交換のパラドックス」の根源に他なりません。




二封筒問題における期待できない「期待値」 
確定日付:2016年07月11日 小松平内役場第515号

(*1)
一般的に言われる期待値の定義は、「期待値は、確率変数の実現値を, 確率の重みで平均した値である」(ウィキペディア - 期待値 [2017/03/22現在])ですが、これは、こう計算すりゃ「ある試行を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値」が得られるよ、ということです。

(*2)
もし、「あなた」と「友人」、それぞれが封筒の金額を確認した上で交換を望んでいるか/いないか が、
互いに分かってしまったら、
その場合は、もはや「期待値」の議論ではなくなってしまいます。
封筒b に20000円を確認した「友人」が、「あなた」が交換を望んでいることを知れば、
「友人」には封筒a が、最高額の40000円ではなく、10000円であることが分かってしまい、
「友人」は、交換する→交換しないに転向することを表明します。
となると、「あなた」には封筒b が、5000円でなく、20000円であることが分かってしまいます。
なので、あくまで「期待値」についての実験として このようなゲームを行うのであれば、
交換を望んでいるか / 交換を望んでいないか の表明は、「せーの」で同時に行い、かつ、それらの表明は後で取り消すことはできない、というルールを追加する必要があります。



【以降 2017.10.15 追記】

◆補遺:私の〈金額の分布が明確な場合でもパラドックスは発生する〉という主張に対する批判への反論

【問題D】
ここに封筒の(輪ゴムで合わせた)ペア、三組がある。
それぞれの封筒には紙幣が入っていて、それぞれのペアの金額が

  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }

で あることは、あなたも友人も知っているが、
封筒の外観はみな同じなので、どの封筒のペアがどの金額のペアなのかまではわからない。
あなたは、三組の封筒のペアの中から、無作為に一つのペアを選んだ。
そして、そのペアの片方("封筒a"とする)を あなたがとり、もう片方("封筒b"とする)を友人がとる。
と、あなた達は「お互いに封筒を交換してもよい」と言われる。
では、ここで、
あなた達は「自分の選んだ封筒の中身を確認してもよい」と言われた、とします。
そこで、あなたが封筒a の中身を確認すると1万円でした。
・・・



私は、この【問題D】のゲーム(以降、特に断わりなく"ゲーム"とある場合は"2つの封筒問題のゲーム"のこととします)から「典型的な」2つの封筒問題のゲームへと拡張して話を進めています。
つまり、この【問題D】に対する私の論述は、私の主張の基点にあたるのですが、
その私の論述中で、
「あなた」が算出する 封筒b の中身の「期待値」

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

を、私が「役に立たない期待値、期待値モドキだ」としていることに対して、
本記事へのコメントや他のブログ、掲示版などで

┐(  ̄o ̄)┌ ヤレヤレ
ゲームで使われる封筒のペアが三組、と有限で、しかも それら全ての中身の金額が分かってるんなら、
この封筒b が5千円の確率が1/2で、2万円の確率が1/2なのは明らか。
つまり、封筒b の期待値の算出:5千円×1/2 + 2万円×1/2 にはなんの問題もないから、
1万円をそのまま貰うより、封筒bの期待値:1.25万円に従って封筒bに変えた方が25%得なのは明々白々じゃん。

と、ツッコミが入ってます。
でもホントにそうなんでしょうか?

では、
まずは、次のような【問題D】の封筒のペアを たくさんに増やした場合を考えてみます。

【問題Dの変形(ペアはたくさん)】
ここに封筒の(輪ゴムで合わせた)ペアがたくさん詰まった箱がある(なので、ペアの数はわからない)。
あなたと友人は、
それぞれの封筒には金額を記した紙切れが入っていて、
それぞれのペアの金額が

  ……
  { 02500, 05000 }
  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }
  { 40000, 80000 }
  ……

というパターンで あることは、胴元から教えてもらったが、金額の最高額 及び 最低額は教えてもらえなかった。
胴元が、箱の中から、無作為に一つのペアを選び、
そのペアの片方("封筒a"とする)をあなたに、
もう片方("封筒b"とする)をあなたの友人に渡す。
と、ここで胴元から、あなた達は「封筒の中身を確認してもよい」と言われ、
さらに、「その上で自分の封筒を、相手の封筒と交換してもよい」
とも言われた。
そこで、あなたと友人がそれぞれの封筒の中身を確認すると・・・


「あなた」が封筒a の中身を確認すると10000円でした。
すると、
「友人」の持っている封筒b が、1/2 の確率で 5000円 か 20000円であるのは間違いなし。
なぜなら、封筒のペア
{ 05000, 10000 }
{ 10000, 20000 }
が、それぞれ一組ずつ存在することは胴元から教えてもらっているから。
なので、「あなた」が算出する封筒bの「期待値」、
 (5000 + 20000)× 1/2 = 12500
つまり、封筒aの金額×1.25は"正しい"。
また、封筒b の金額が 実際には 5000円 / 20000円 どちらであったとしても、
「友人」の算出する封筒a の「期待値」も、封筒b の金額×1.25。
これも、「あなた」の算出した封筒b の「期待値」と同じ理由で"正しい"。
なので、「あなた」と「友人」はなんのわだかまりもなく、互いに封筒を交換する…。
おかしくないでしょうか?

<(  ̄o ̄)┌
別におかしかないよ。
もし封筒a が10000円、封筒b が20000円だったとしたら、
「あなた」も「友人」も期待値に従ったけれど、
この場合は、「あなた」が期待値どおりに"得"して、
「友人」はそうじゃなかった、ってだけの話。
それぞれサイコロ(期待値:3.5)を振って、
「あなた」は"5"が出て"得"をして、
「友人」は"2"出て"損"をした、っての同じことよ。


では、
このゲームを何度も続けます。
2回目:
「あなた」が封筒a の中身を確認すると80000円でした。
「あなた」と「友人」はなんのわだかまりもなく、互いに封筒を交換する。
3回目:
「あなた」が封筒a の中身を確認すると5000円でした。
「あなた」と「友人」はなんのわだかまりもなく、互いに封筒を交換する。

これを、出現頻度のパターンから最低額・最高額が推測できない程度の回数繰り返します。
結果、
「あなた」は「期待値」に従った交換によって常に封筒bを手に入れてきました。
なので、「期待値」が正しいのであれば、
 封筒aの総額 < 封筒bの総額
となるはずです。
一方、
「友人」は「期待値」に従った交換によって常に封筒aを手に入れてきました。
なので、「期待値」が正しいのであれば、
 封筒aの総額 > 封筒bの総額
となるはずです。
矛盾が発生しました。
結論:「期待値」はまったく当てにならない。

(; ̄д ̄)/ マテマテ
もし「あなた」が封筒a の中身を確認するとそれが最高額(M とする)だったら?
「あなた」は M が最高額だと知らないんだから、
封筒bの期待値を
0.5M×1/2 + 2M×1/2
って計算しちゃうよな?
でも、2M なんて金額は存在しないんだから、封筒bが2Mである確率:1/2 は間違いで、ホントは 0 だ。
だから、この封筒bの期待値:1.25M は正しくない。
なので、「あなた」は この正しくない期待値に従って封筒を交換して、交換しなかった場合より必ず 0.5M "損"をする。
この"損"が、封筒a が最高額以外だった場合の封筒bの正しい期待値に従って"得"した分を相殺してるんだよ、多分…。

でも、
このゲームの繰り返しが終了した後で、
「あなた」と「友人」が獲得した封筒を全部確認して、
それらのどれもが最低額でも最高額でもなかった としたら?
その場合、「あなた」にも「友人」にも、正しい「期待値」に従って"得"した分を"相殺"する"損"は発生していません。
なので、
「あなた」は、常に正しい「期待値」に従って常に交換して常に封筒bを手に入れているですから、もし常に交換しないで封筒aを手に入れていた場合よりも"得"をしているはずです。
そして、
「友人」も、常に正しい「期待値」に従って常に交換して常に封筒aを手に入れているのですから、もし常に交換しないで封筒bを手に入れていた場合よりも"得"をしているはずです。
つまり、
「期待値」に従って常に封筒bを手に入れれば、常に封筒aを手に入れていた場合より、"得"をする。
と同時に
「期待値」に従って常に封筒aを手に入れれば、常に封筒bを手に入れていた場合より、"得"をする。

素晴らしきかな、「期待値」!

では、今度は、
次のような【問題D】の封筒のペアを五組に増やした場合を考えてみます。
今度は【問題D】と同じく、「あなた」は全てのペアの中身を知っています。
つまり、今度は「あなた」は封筒の最低額・最高額を知っています。

【問題Dの変形(ペア五組)】
ここに封筒の(輪ゴムで合わせた)ペア、五組がある。
それぞれの封筒には紙幣が入っていて、
あなたは、それぞれのペアの金額が

  { 02500, 05000 }
  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }
  { 40000, 80000 }

で あることは知っているが、
封筒の外観はみな同じなので、どの封筒のペアがどの金額のペアなのかまではわからない。
あなたは、五組の封筒のペアの中から、無作為に一つのペアを選び、
さらに、そのペアの片方("封筒a"とする)を選びとる。
と、ここで胴元から、あなたは「封筒aの中身を確認してもよい」と言われ、
さらに、「封筒aを、選らばなかったもう片方("封筒b"とする)と交換してもよい」
とも言われた。
そこで、あなたが封筒a の中身を確認すると・・・


これから「あなた」はこのゲームに何度も参加します。
その際、「あなた」は次の二つの「策戦(tactic)」のどちらかを常にとるものとします。

Te:「期待値」に従う

 つまり、封筒a が 10000円なら、それを 封筒b の「期待値」:12500円 と比較して、
 封筒b と交換します。
 最高額:80000円 なら、それを 封筒b の期待値:40000円 と比較して、交換しません。
 ※封筒a が 10000円の場合のように、封筒b の実現値が二つ(5000円か20000円)の場合、
 封筒b の「期待値」は、このようにかぎカッコ付き("「期待値」")で表しています。
 私はこの「期待値」を偽(にせ)期待値だと考えているからです。
 一方、
 封筒a が 80000円の場合のように、封筒b の実現値がひとつだけ(確実に40000円)の場合、
 封筒b の期待値は、このようにかぎカッコなし("期待値")で表します。
 これは誰が見ても真の期待値だからです。

Tn:基本的に(「期待値」に従わず)交換しない

 "基本的に"というのは、それで確実に得をする場合は交換するからです。
 封筒a が 最低額:2500円 なら、当然 封筒b:5000円 に交換します
 一方、例えば、封筒a が 10000円 なら、
 封筒b の「期待値」:12500円 は無視して、10000円をそのまま貰います。

すると、策戦 Te / Tn それぞれの場合の、各ゲーム毎の獲得金額("■"が付いている金額)は次のようになります。

(2500,5000)~(40000,80000)


では、
それぞれの策戦によって得た獲得金額の総計は…
(このゲームを大数の法則が顔を出すまで繰り返した結果の総計を考えるのはメンドくさいだけなので、
 起こりうるケース分、今回の場合は5×2回繰り返して、都合よく異なるケースが一回ずつ起こった場合の総計を考えます。
 以降も、特に断わりなく"総計"とある場合は このような「起こりうるケース分」の「総計」のことです)

 Te: 272,500円 > Tn: 235,000円

<(  ̄o ̄)┌ ホ~レミ
常に「期待値」に従った方が得してるじゃん。
だから「期待値」はなんの問題もない、期待できる真の期待値なんよ。

確かに、総額ではTn より Te:常に「期待値」に従った方 が得しています。
でも、ホントに「常に「期待値」に従った」が故に"得"したのでしょうか?

ここで、もうひとつの策戦を定義しておきます。

Tc:基本的に交換する

 "基本的に"というのは、それで確実に得をする場合は交換しないからです。
 封筒a の中身が最高額:80000円 なら、当然 その 40000円をそのまま貰います。
 一方、例えば、封筒a の中身が 10000円 なら、封筒bの「期待値」がどうであろうと、
 とにかく封筒b に交換します。

この策戦 Tc は Tn:基本的に交換しない の裏返しで、
そして、結局、策戦 Te と全く同一であることを留意してください。
なので
Tn の基本パターンは、封筒a をそのまま貰う、
Te の基本パターンは、封筒b に交換する、
です。
それで、表をみると、
Te では、封筒a が 80000円 のときに、つまり、封筒a が 最高額の場合に、
「基本パターン」から"逸脱"していることがわかります。
一方
Tn では、封筒a が 2500円のとき、つまり、封筒a が 最低額の場合に、
「基本パターン」から"逸脱"していることがわかります。
それで、
例えば、封筒のペアが{ 10000, 20000 } の場合、
Te で交換して手に入れる10000円は、Tn で交換しないで手に入れる10000円に相当して、
Te で交換して手に入れる20000円は、Tn で交換しないで手に入れる20000円に相当します。
ところが、
封筒のペアが{ 40000, 80000 } の場合、
Te で交換して手に入れる80000円は、Tn で交換しないで手に入れる80000円に相当しますが、
Te で交換しないで手に入れる80000円が、Tn で交換しないで手に入れる40000円に相当しています。
つまり、
総額における Te の"得"272,500 - 235,000 = 37500円は、
Te の「交換しないで80000円手に入れる」という、「基本パターンからの逸脱」からのみ発生しています。

  (Te:2500 - Tn:5000) + (Te:80000 - Tn:40000) = 37500円

一方、
例えば、Te で、封筒aが10000円だったときに封筒bの「期待値」に従って交換したことは、
Te の総額における"得"にはなんらの貢献にもなってはいません。
もし、「期待値」に従って交換したことが、Te の総額における"得"に貢献しているのであれば、
・・・・・・
〈この間は コチラでお読みください〉

2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉 Kindle版2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉
Kindle版

(2018/03/11 改版)
遅読猫
・・・・・・
ところで、
「「期待値」は正しい」と主張する某美学者(以降"M氏"とします)が、自身の掲示板で
「【問題D】の1万円を確認した場合、これを全部集計して、交換と非交換を比較すれば、期待値計算どおりの実験結果が出るはずです」
として、そのシミュレーションしてみせる、と言いだしました。
私は「無作為試行のシミュレーションにおいては、例えばサイコロ投げのシミュレーションの全ての結果から、意図的に"1"が出た場合のみを抽出して云々しても意味がないのと同様に、意図的に封筒a が1万円になる全てのケースのみを抽出して云々しても意味がないことは理解してますよね?」
と忠告しました。
しかし、M氏はこれが全く理解できず、
結局、

 【問題D】のゲームを繰り返して、その結果から 封筒a が1万円の場合のみを抽出して、
 交換しなかった場合 と 封筒b に交換した場合、それぞれの獲得金額を集計する。

というシミュレーションを敢行して(正確には、M氏はプログラムが組めないというので、シミュレーション自体は第三者に依頼しているのですが、このシミュレーションに対する責任は依頼者であるM氏にもありますので、以降、このシミュレーションを「Mシミュレーション」とします)…

d( ̄へ ̄) ドヤ!
シミュレーションの結果っ、
交換しなかった場合の平均は10000円、
交換した場合の平均は12500円、
よって、封筒bの期待値:12500円に従って交換した方が得!
つまり、「期待値」12500円は正しい!
以上っ!

御苦労さんです。
さて、
このMシミュレーション、二つの点でアホです。
まず、ひとつめのアホな点。
・・・・・・
〈続きは コチラでお読みください〉

2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉 Kindle版2つの封筒問題:封筒のパラドックスを解消する 〈第3版〉
Kindle版

(2017/03/11 改版)
遅読猫




【「2つの封筒問題」、あるいは「封筒のパラドックス」 関連記事】
 ・ トンチン解説 Type1:「期待値は正しい。交換した方が得」
 ・ トンチン解説 Type2:「選んだ封筒がXの時 選んでない方が2Xである確率は1/2ではない」
 ・ トンチン解説 Type3:「期待値は「相加平均」ではない。「相乗平均」なのだ」
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

遅読猫 : 2016/02/28 (日) 21:06:02

※コメントを頂ける場合、
「URL」欄に御自分のブログまたはサイトのURLを、初回だけで結構です、必ず記入してください。
記入がない、若しくはデタラメの記入と判明した場合は、
削除させて頂きます。

よろしくお願いします。

OKP : 2016/10/03 (月) 11:33:20

ここまできちんと分岐を書いて考察されていながら、金額が具体的に(1万円と)確認された場合は交換が得と、何故お分かりにならないのか不思議です。5組の例でシミュレーションすれば明確だと思います。
つまり、金額が特定できた時点から生じる25%有利を何故、不問(幻の期待値)として、特定できない場合の全体の期待値を採用するのでしょうか?
繰り返しますが、5組のケースで多数回試行のシミュレーションをすれば交換が得なのが明確ですが(1万円が確認できた場合の交換による回収額)、それをどういう根拠で損得なしと修正するのですか?

私は「絵解きパラドックス」流用とされている、1万円を確認した場合は交換が得、金額確認しない場合は損得言えない、で合っていると考えます。

Chidokcat : 2016/10/04 (火) 12:53:26

> つまり、金額が特定できた時点から生じる25%有利を何故、不問(幻の期待値)として、特定できない場合の全体の期待値を採用するのでしょうか?

私は「金額が特定できた時点」では、「金額が特定できない場合の全体の期待値」も「採用」していませんがね。

> 5組のケースで多数回試行のシミュレーションをすれば交換が得なのが明確ですが(1万円が確認できた場合の交換による回収額)、それをどういう根拠で損得なしと修正するのですか?

だから、そのシミュレーションの結果=「1万円が確認できた場合の交換による回収額」の平均=「幻の期待値」だって言ってんですがね。
「根拠」は本記事にあるとおり。

> 私は「絵解きパラドックス」流用とされている、1万円を確認した場合は交換が得、金額確認しない場合は損得言えない、で合っていると考えます。

では、質問。
■「1万円」に限らず、確認したのが いかなる金額であれ「確認した場合は交換が得」なんでしょうか?
はい/いいえ で答えてください。
で、
OKPさん、本コメントに返信いただける場合は、
今度こそ、あなたのブログが開く「URL」を入力してください。
そして、それが本当にあなたのブログか、私が確認できるように、私の記事にツッコミを入れた旨の記事を書いて、その記事に私の質問の答えを書いてください。
そうしていただけない場合、先に頂いたコメントも全て削除します。

φ : 2016/11/16 (水) 11:51:01

2封筒問題における期待値を、「期待できる期待値」と「期待できない期待値」に分けるというのは極めて斬新な考え方です。
ただ、
>封筒b の中身は 各々確率 1/2 で、5000 / 20000 のどちらかである
ということを認めてしまうと(あなたは認めています)、いやでも交換による期待値は12500円にならざるを得ません。
これは平均値であって期待値ではないというのは詭弁になってしまいます。
何故、期待値でなく偽期待値なのかという説明が欲しいところです。

ちなみに、このゲームを繰り返した場合、必勝法はいくつかあると思いますが、
例えば、「一度見た金額の2倍の金額を見た場合は交換しない。」とすれば、25%の利益に収束しますね。

yosiokakun : 2016/11/17 (木) 04:45:56

>全ての「実現値」の総数に比べて少数の偏った実現値の平均値を算出しても、それは期待値ではありません。
>よって、あなた や友人が立てた これらの「期待値」は、なんの意味もない只の数字であり、賭けにおける損得に対する なんらの判断材料にもなりません。
>以降、
>ある一試行における全ての実現値の平均値のみを"期待値"と呼び、
>「あなた」や友人が算出したような「期待値」を"偽期待値"と呼びます。

>「期待値」とは あくまで ある一試行における全ての実現値の平均値です。
>なので、「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値は、
>「サイコロ投げの出目」の特性(property)であり、それは、言うまでもなく 3.5 のみ。


「偽期待値」という謎の概念は何なのでしょうか。
サイコロの喩えで「1,2」という用紙のペアが出てくれば「偽期待値」は1.5ですが、その場合も、『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は、必ず3.5になるとお考えなのでしょうか。

1,2の用紙のペアが出てきた場合、32000円の賭け金を払うとかならず収支はマイナスになります。必ず賭けは降りたほうが有利です。

降りた方が有利なことからも明らかなように、1,2の紙片という情報を得たあとでは、 『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』 は3.5ではない、
それより小さいということがわかります。

逆に紙片に5,6と書かれていれば、この賭けに乗れば「期待値3.5の場合の3000円」よりもかなり大きな利益が得られることがわかります。


確かに単純な和平均では誤った数値が出ますが、
あなたの言う「偽期待値」には実際期待される収支との相関があります。
従って「賭けにおける損得に対する なんらかの判断材料」になります。

>よって、あなた や友人が立てた これらの「期待値」は、なんの意味もない只の数字であり、賭けにおける損得に対する なんらの判断材料にもなりません。

従ってこの文が誤っているのは明らかです。

手持ちの(自分に対して公開されている)情報や前提が異なれば期待値が異なってくるのは当たり前ですよ。


ブログを持っていないので、先程開設しました。
もしコメントに対して意見があるようでしたら、返信いたします。


Chidokcat : 2016/11/19 (土) 12:28:35

コメント投稿者"φ"は「URL」に三浦俊彦さんの掲示板(http://8044.teacup.com/miurat/bbs)を入れてきました。
"φ"は三浦さん御自身が掲示板で使ってらっしゃるハンドルネームです。
それで、三浦さんに確認したところ、コメント投稿者"φ"はスマシであることが判明しました。

スマシのIP
s213.GchibaFL5.vectant.ne.jp

yosiokakun : 2016/11/20 (日) 06:55:32

{ 05000, 10000 }
{ 10000, 20000 }
{ 20000, 40000 }

以下はこの三組から選ぶケースについての話です。

>ついでにいうなら、
これら偽期待値の算出では、自分が選んだ封筒に確認した金額の2倍の金額を 1/2 の確率で設定しているので、この偽期待値が自分が選んだ封筒に確認した金額より常に大きくなるのは当たり前の話です。

この文章だけで遅読猫さんが問題を正しく理解していないことが分かります。
封筒に40000円入っていた場合、遅読猫さんが『偽期待値』と称するものは『自分が選んだ封筒に確認した金額より小さく』なります。

従ってその後の拡張も全て誤りです。


封筒を開けて5000円が入っていれば当然交換が有利になり、40000円が入っていれば当然交換が不利になりますよね。

問題にされるのは「封筒を開けて金額を確認した後の期待値」であり、これは偽期待値でもなんでもありません。

遅読猫さんが「真の期待値」と呼んでいるものは、「封筒を開けて金額を確認する前の期待値」です。

「封筒を開け、10000円という金額を確認したのち」、封筒を交換した場合の利得期待値はプラスになります。これは偽期待値でもなんでもありません。
「封筒内に10000円を確認した」という条件付きの場合、交換後得られる金額の期待値として12500円は正しい数字です。

「封筒内に20000円」の場合も同様、交換後金額の期待値は25000で正しいです。

「封筒内に40000円」の場合は交換後金額は20000円で確定です。必ず20000円になります。これは偽期待値なのでしょうか?

これだけは正しい期待値だと言うなら「1万円」「2万円」のケースでの1.25倍の金額はなぜ偽期待値になるのでしょうか?

この一事だけからでも、遅読猫さんの論理は「封筒3つの例」の時点で破綻しておられることが分かると思います。

Chidokcat : 2016/11/20 (日) 20:37:24

> サイコロの喩えで「1,2」という用紙のペアが出てくれば「偽期待値」は1.5ですが、
> その場合も、『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は、
> 必ず3.5になるとお考えなのでしょうか。

いいえ。私が、
「「1,2」のペアを得た時点でも、「サイコロ投げの出目」の期待値」:3.5 が有効だ」
って、どっかに書いてますか。

> 1,2の用紙のペアが出てきた場合、32000円の賭け金を払うとかならず収支はマイナスになります。
> 必ず賭けは降りたほうが有利です。
> 降りた方が有利なことからも明らかなように、1,2の紙片という情報を得たあとでは、
> 『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は3.5ではない、

正しくは、
「1,2」のペアから得られる期待値は
「カップの中の出目」の期待値ですが、「サイコロ投げの出目」の期待値ではありませんね。
ここは、私の書き方が悪いか…。

> 確かに単純な和平均では誤った数値が出ますが、
> あなたの言う「偽期待値」には実際期待される収支との相関があります。
> 従って「賭けにおける損得に対する なんらかの判断材料」になります。

う~ん、これは確かにそうです。
ここが私の議論の心臓部ではあるのですが、確かに弱いです。
もっとよく考えて、書き直すかもしれません。

> 手持ちの(自分に対して公開されている)情報や前提が異なれば期待値が異なってくるのは当たり前ですよ。

これは、いまのところ、私は当たり前だとは思っていません。
手持ちの情報や前提が異なればその値も異なる、いわば「主観的な」期待値はあてにならないような気がします。

>「これら偽期待値の算出では、自分が選んだ封筒に確認した金額の2倍の金額を 1/2 の確率で設定しているので、
> この偽期待値が自分が選んだ封筒に確認した金額より常に大きくなるのは当たり前の話です」
> この文章だけで遅読猫さんが問題を正しく理解していないことが分かります。
> 封筒に40000円入っていた場合、遅読猫さんが『偽期待値』と称するものは『自分が選んだ封筒に確認した金額より小さく』なります。

アホか。
私は「「1万円」「2万円」のケースでの1.25倍の金額」の話をしてるんだが。

> ブログを持っていないので、先程開設しました。

私がコメント投稿者にブログのURLを求めるのは、その人が一体どういう考えを持ってるか、知りたいからなんですがね。
いままで私にコメントをくれた方々は、誰一人ブログもホームページも持ってらっしゃらないのは、どういうことでしょうかね…。

> もしコメントに対して意見があるようでしたら、返信いたします。

返信、いりません。

せっかくブログを開設したんなら、
そちらに、まずは、"あなた"の「2つの封筒問題」の解答を書いてください。
その上で、私の考えに異論があるなら、それも"あなたのブログ"で記事にしてください。
そうしたら、私に、そういう記事を書いた旨、コメントください。
かならず見に行きます。

私の他の記事も読んでもらうとわかるとおり、
私は他の人の解答にツッコミを入れるとき、
必ず、それ(他の人の解答)に替わる自分の解答を書いています。
他の人の解答に、ただただ「ここがおかしい、ここもおかしい」とツッコミを入れるだけなら、サルでもできますし、なによりフェアじゃない、と私は思います。

スターダスト : 2016/11/22 (火) 16:35:13

こんにちは。初めまして。封筒交換問題の記事を拝読いたしました。是非参考にさせて頂きましてこれからも考えていきたいと存じます。

さて、類題がございまして数年来抱えたままでおります。以下に記させて頂きます。もしよろしければ解析のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

■問題の前提
ふたつの未知の通貨単位、〈アルド〉と〈ボンエー〉とがあります。それぞれ略号をα、βとします。ふたつの通貨単位のあいだの交換レートは、《1α=2β》もしくは《2α=β》であって、それぞれである確率はともに1/2とします。
また、〈アルド〉や〈ボンエー〉の、対円の交換レートも最初は知らないものとします。

【札交換問題1】

 ここに2枚の札があります。
 1枚の額面は《100アルド》、もう1枚の額面は《100ボンエー》です。
 今 あなたは1枚の札(これを"札a"とします)を手にとりました。
 ここで、あなたは札aを、選ばなかった札(これを"札b"とします) と交換してもよいと言われます。
 では、あなたは 札a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、札b に交換した方が得か?

===

【札交換問題2】

 ここに2枚の札があります。
 1枚の額面は《100アルド》、もう1枚の額面は《100ボンエー》です。
 今 あなたは1枚の札(これを"札a"とします)を手にとりました。

すると「ああ、それは丁度1万円と等しい価値があるね」と教えられました。

 ここで、あなたは札aを、選ばなかった札(これを"札b"とします) と交換してもよいと言われます。
 では、あなたは 札a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、札b に交換した方が得か?

===

最後に愚考を陳述いたします。
【札交換問題1】は自明であって交換するもよし交換しないもよし、これ以外に考えられません。
【札交換問題2】に於いて札aの価値を対円交換レートに従って換算したもので教えてもらうことは封筒交換問題で開封して一万円を確認することに相当いたしますが…この知識が札aまたは札bの選択の戦略に影響してよいものなのかどうかについて悩みが深いのです。私は円の価値を知っていますが、たとえば優秀なAIに判断させるならば…円の価値などAIは実感しませんことですし。AIにとってアルドもボンエーも円も、ただの記号に過ぎませんので。数学的に解けるAIにとっては、《「ああ、それは丁度1万円と等しい価値があるね」》という情報は無価値になるのではないかと愚考する次第です。
悩みは数年解決できずに放置しておりました。これを機会に何か前進したいと望んでおります。どうかお力をお貸し下さいますよう、お願いいたします。

Chidokcat : 2016/11/23 (水) 11:28:05

s_hskz(ほしくず)さん?初めまして。

【札交換問題】、おもしろいものを考えつきましたね。
【札交換問題1】は「2つの封筒問題」の選んだ封筒の中身を確認する前と同型、
【札交換問題2】は「2つの封筒問題」の選んだ封筒の中身を確認した時と同型
だと思います。
なので、「2つの封筒問題」の解答がそのまま【札交換問題】の解答になるはずです。

> 札aの価値を対円交換レートに従って換算したもので教えてもらうことは
> 封筒交換問題で開封して一万円を確認することに相当いたしますが…
> この知識が札aまたは札bの選択の戦略に影響してよいものなのかどうかについて悩みが深いのです。

私は、
「開封して一万円を確認する」=「この知識」は、「札aまたは札bの選択の戦略に影響」しない、
というか そもそも「戦略」などというものはなく、
「一万円を確認した」からといって、「交換しようが/しまいが どちらが得ということはない」(選んでない方は0.5万である確率、2.0万である確率はそれぞれ1/2)という"対称性"にはなんらの影響もない、
と考えています。

「2つの封筒問題」でホントにやっかいなのは、例の、選択していない封筒の「期待値」:0.5万×1/2 + 2.0万×1/2 = 1.25万 ってヤツで、この「期待値」が この"対称性"を"壊してしまう"ことです。
なので、この「期待値」は「偽り期待値」である、というのが私が記事で主張していることです。
ですが、その根拠は、他のコメント投稿者に指摘されたとおり、詭弁といわれても仕方ないもので、現在再考中です。

と言う訳で、今は なにも力になれなくて申し訳ありません。

ちなみに、
ほしくずさんの【札交換問題】からも(札に書かれた数値は"100"だけなので)、
ネット上に腐るほどある、「2つの封筒問題」に対する「封筒の中の金"額"の事前分布が云々」という解答が全くのナンセンスであることが分かります。
これに関して、私の記事「トンチン解説 Type2:「選らんだ封筒がXの時 選んでない方が2Xである確率は1/2ではない」」も読んで頂けたら幸いです。
http://philonous.blog111.fc2.com/blog-entry-57.html

スターダスト : 2016/11/26 (土) 00:43:08

美添先生による解析を拝読いたしました。

気になる点を述べたいと存じます。

確率変数が離散的ではなく連続の場合になりますが。

■決めごと
ホストが封筒を2つ用意しゲストが選択する、と登場人物に名をつけます。
ホストが用意する2封筒にはいっている金額の合計を、(確率変数 x を導入し) 3x とします。
金額の小さいほうの封筒の金額は x であり、金額の大きいほうの封筒の金額は 2x です。
《確率変数 x は自然数ばかりではなく、正の実数をとれるものとします》


ホストは、用意する合計金額 3x として どのような大きさの数を選ぶか。
これを確率密度関数 r を使って、
r(3x) と表記します。

要はホストのフトコロ具合や気まぐれなどを r で表すわけです。

rに付随して変化する、金額が小さいほうの封筒の 金額の分布を、確率密度関数pを用いて、p(x)として表します。

同様に、rに付随して変化する、金額が大きいほうの封筒の 金額の分布を、確率密度関数qを用いて、q(2x)として表します。

■考察
pについて、変数が、xからx+Δxまで変化するときに、
qについて、変数は、2x から、2x+2Δx まで変化します。

すなわち、pのグラフとqのグラフを比較すると、qのグラフはちょうど、pが横に2倍引き延ばされたかっこうになります。
しかも、qのグラフは、縦に高さが1/2に押し潰された格好になります。
確率密度で考えていますから、小さいほうの封筒の金額と対応する大きいほうの金額のペアを考えると、大きいほうがスッカスカなわけです。

■結論
p(x)=2*q(2x)

===

■今後の課題

・世間ではよくみられるように、たとえば p(5000)=p(10000)=p(20000)といった 一様な確率密度を想定していますが、実は封筒問題には、そのことは明示されていませんので自由度があります。
このことをもっと考えたいです。
すなわち、
世間ではよくみられるように、
[5000,10000]のペアと[10000,20000]のペアとが同じ確率で起きるとしていますが、問題文には明示されていません。


■余談
美添先生はどうやらこうした不定性を問題にしていると思いました。
でも確実なことがひとつあります。
p(x)=2*q(2x)

です。

これを基礎に、たとえば、けして自明ではない、強い仮定(p(x)=q(x))を追加すると、
p(x)=C/x ... Cは定数
が出てきます。

ちょっとビックリですね。

Chidokcat : 2016/11/27 (日) 10:35:58

> 金額が小さいほうの封筒の金額の分布を確率密度関数pを用いて、p(x)として表します。
> 金額が大きいほうの封筒の金額の分布を確率密度関数qを用いて、q(2x)として表します。
> …
> 確率密度で考えていますから、
> 小さいほうの封筒の金額と対応する大きいほうの金額のペアを考えると、
> 大きいほうがスッカスカなわけです。
> ■結論
> p(x)=2*q(2x)

「金額が小さいほう」/「金額が大きいほう」それぞれの確率分布を比較しても全く無意味です。
2つの封筒問題では、「封筒の金額」が個々に使われる訳ではなく、「封筒の金額」の"ペア"が使われます。
なので、
もし、なんらかの確率分布を云々したいのであれば、
それは、《金額のペアの確率分布》でなくてはなりません。
しかしながら、
そもそもの話、2つの封筒問題では、それが例え《金額のペアの確率分布》であれ、あるいは他の何かの確率分布であれ、そんなもの、いくら捻り出しても全く無意味です。

スターダスト : 2016/11/27 (日) 17:53:30

《金額のペアの確率分布》
については、

■今後の課題

に繰り混みましたので、ご批判はごもっともです。
===
《金額のペアの確率分布》を考える上で、それとは無関係に、
p(x)=2*q(2x)
が云えるとだけ申しました。


さらに
■余談
では、
「けして自明ではない、強い仮定(p(x)=q(x))を追加すると、」とした上で、この特殊な状況のもとでは 《金額のペアの確率分布》がひとつ定まる、と示唆いたしました。
その際には条件によらず普遍的に成り立つ
p(x)=2*q(2x)
を使うことになります。

===
さまざまな《金額のペアの確率分布》を考えていかねばならないというご意見について同意いたします。

スターダスト : 2016/11/28 (月) 15:12:22

封筒問題については一旦置きまして(あとで戻りたく存じます)ひとつ骨休めに以下の問題は如何でしょうか。モンティ・ホール問題とは似て非なる問題ですが敢えて舞台設定を借りることと致します。

■前提
羊が三匹います。三つ子です。仮に名前を「とんきち」「ちんぺい」「かんた」と名付けておきます。一対一で喧嘩をすると常に「とんきち」は「ちんぺい」や「かんた」に勝ちますし、また、常に「ちんぺい」は「かんた」に勝ちます。この羊の飼い主には「とんきち」「ちんぺい」「かんた」の区別がつきますが、モンティをはじめテレビスタッフや視聴者など一般の人には区別がつきません。モンティ・ホール・ショーの出し物に使うためには不便ですので、飼い主に手伝ってもらい、各々の羊に名前入りの鈴がある首輪をつけます。但し名前は鈴を割ってみないとモンティや一般の人には不明のままとします。
羊に関しての以上の前提はルールとして全ての人が知っているものとします。おっと、豪華商品としてスポーツカーを一台用意してあります。

■出し物
モンティ・ホール・ショーのゲストであるあなたの前に三つの扉が引き出されます。それぞれの背後にはくだんの羊が一匹づつ隠されています。傍らに羊の飼い主もニコニコして立っています。
モンティが言います。
「さて、二匹の羊のうち喧嘩に強い羊を選んだらスポーツカーが賞品として貰えます。扉をひとつ選んで下さい、それが取り敢えずのあなたの羊となります。」
あなたは扉をひとつ選び、羊が一匹出てきました。(飼い主さんにはその羊の名は一目瞭然です。)
モンティは公正なコインを全員に見せながら告げます。
「残された扉は二つです。コインをなげ表が出たらこちらの、裏が出たらあちらの扉を舞台の脇まで片付けてしまいます。」
コイントスが行われ、扉がひとつ撤収されます。そのときにモンティは「飼い主さん、今舞台からいなくなった羊の名前をご確認ください。」と言います。飼い主さんはその指示に従います。
モンティは告げます。
「飼い主さんにお尋ねします。いまゲスト(つまりあなた)の選んだ羊と、舞台からいなくなった羊とでは、どちらが喧嘩に強いでしょう。羊の名前は伏せたうえで教えて下さい。」
飼い主はあなたの羊といなくなった羊のどちらが喧嘩に強いのかを皆に知らせます。
モンティはあなたのほうに向き直り尋ねてきます。
「さて、取り敢えずのあなたの羊が、最後の扉の背後にいる羊よりも喧嘩に強ければ、スポーツカーはあなたのものになります。でも考え直しても構いません。羊を交換しても良いのですよ?さあ、どう致しましょうか。」
(この決着は羊の首輪の鈴が割られて名前が明らかになることでつけられます。)

==
ある人はこう考えるかもしれません。「モンティも私も偶発的に羊を選んだ、残された3番目の扉の最後の羊も偶然に選ばれている。ならば私の羊と最後の羊のどちらが強いかなんてのはフィフティフィフティだ。」
またある人はこう考えるかもしれません。「モンティが選んだ羊とわたしが選んだ羊との強弱がわかっている、なんとかこのデータを使えないのだろうか……」

===
さて、このゲームではどのように振る舞うことが最善でしょうか。

遅読猫さんには簡単すぎるかもしれませんね。

※実は…この問題があとで封筒問題を考えるための材料となればよいなあと企んでおります。

Chidokcat : 2016/11/30 (水) 12:44:32

スターダストさんへ

「モンティも私も偶発的に羊を選んだ、残された3番目の扉の最後の羊も偶然に選ばれている。ならば私の羊と最後の羊のどちらが強いかなんてのはフィフティフィフティだ」
と、私も思いますけど、間違ってます?

> 封筒問題については一旦置きまして(あとで戻りたく存じます)
> …
> ※実は…この問題があとで封筒問題を考えるための材料となればよいなあと企んでおります。

この後の考察は、御自分のブログを開かれて、そこで展開されたら面白いと思います。
その際に、またお知らせください。必ずお伺いします。
(コメントでやり取りを続けると話の流れが段々分かりにくくなってくるので、申しわけありませんが、よろしくお願いします)

スターダスト : 2016/12/01 (木) 13:54:19

こんにちは。

>この後の考察は、御自分のブログを開かれて、そこで展開されたら面白いと思います。

ブログの保守には向かない性質な軟弱者でして過去に何度も閉鎖してしまった身でございます……さて如何致しましょうか。
この[横道にそれて]の羊三匹問題の私による想定解をお示しした後、この羊三匹問題から封筒問題へのロードマップをごくごく簡単に書かせて頂きまして詳細は抜きにて終了させて頂くことと致したいと存じます。もしも宜しければですけれども。

さて。

■羊三匹問題の想定解

記述の省略のために、羊の喧嘩での優劣を 不等号であらわすこととします。すなわち、
負ける羊<勝つ羊
と約束します。

※尚、羊の強さを可視化した数値を考えてその大小比較をしようとしているのではありません。「ガウス分布しているはずだ」など、羊の強さの分布を考慮するような生臭い論議を始めると大変だからです。閑話休題。

問題文より、
ちんぺい<とんきち
かんた<とんきち
かんた<ちんぺい
が成立するのでした。

ゲスト(=あなた)が最初に選んだ羊をa、モンティが取り除いた羊をs、最後の扉の羊をb とします。aとbとの喧嘩での優劣を推理したいのでした。「a<b」と「a>b」とで、どちらがもっともらしいかを確率的に判定したいわけです。

以下の6つのパターンは同様に確からしく発生します。
a<b<s
a<s<b
b<a<s
b<s<a
s<a<b
s<b<a

何も情報が与えられなければb<aとb<a とが等確率で発生します。すなわち、羊を無理に交換する必要はありません。自明ですね。ところが、三匹の羊飼いにより「a<s」または「a>s」のどちらが発生したのかについて情報を得ますと事態は一変します。

・「a<s」と判明
事態が絞られて
a<b<s
a<s<b
b<a<s
のどれかが起きたとわかります。
2/3の確率で「a<b」が、1/3の確率で「b<a」が起きているのですから、ゲストがより強い羊を得るためにはaを交換してbを得たほうが良いことになります。

・「a>s」と判明
同様に分析すれば交換せずにaのままでいたほうが良いことになります。

まとめ。
いずれにせよ2/3の確率でスポーツカーをゲットできます。

羊三匹問題の想定解の説明を以上で終わりに致します。

===

■ネクストステップ

羊三匹問題を踏まえたうえで、以下の数理パズルを吟味したかったのです。

●マハラジャの新しい賭け遊び∥
・問題 
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/alice/201508/question.html

・回答
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/alice/201508/answer.html

2つの数値のうち片方だけ見せられたときに交換したほうがよいかどうかを問う、そんな小問が4つ組み合わされています。【特に第3問が封筒問題に迫る手がかりとなりそうです】

ご注意。ふたつの数値のうち大きいものを当てるゲームですが、勝ったときのゲインと負けたときのペナルティが符号は違えど同額固定です。

(答えにはabsの3つの数値が使われますが、羊三匹問題で慣れておこうと思っていました)


■ラストステップ
勝ったときのゲインと負けたときのペナルティの額を変動させて封筒問題と比較する

…… 分析には自信がありませんが、私が思うに、恐らくは、封筒を交換することが得という結論になってしまいました。

===

ロードマップも記しましたので、ここまでで中締めと致したく存じます。

ここまでご辛抱頂いたこと、そして、ご厚情に感謝申し上げます。

ななし : 2017/07/23 (日) 03:24:15

こんにちは
まだ見てくれているか分かりませんが、自分の考えを書きます

封筒が二つあって、片方にX、もう片方に2X、入っています
どちらかを自由選択して手に取ります
もしXの方の封筒を手に取っていたなら、もう片方は2Xです
もし2Xの方の封筒を手に取っていたなら、もう片方はXです
封筒を交換する行為を記号「⇒」で表現するなら
X ⇒ 2X ・・・①
2X ⇒ X ・・・②
の二つの状態が考えられ、交換する方がよいか、どうか迷っている状態ですね
ここで、今の置かれている状態が、①である確率と、②である確率は、ともに1/2です
なぜならそれぞれXと2Xが入っている2つの封筒から
1つを自由選択したからです、まったくの裏表になってます
ここで、今の置かれている状態の期待値を求めます
①と②は共に1/2の確立なので①と②を足して2で割ればよいです
すると、1.5X ⇒ 1.5X ・・・③ となります
③の左辺の意味していることは、今持ってる封筒はXか2Xか五分五分なので
期待値は1.5Xであるということです
同様に右辺が意味しているのは、他方の封筒の期待値も1.5Xであるということです
両者ともに期待値が1.5Xであるので、交換しても、交換しなくても
期待値は同じで、どちらが得とは言えず、イーブンである、ことが分かります

ここで、手に取っている封筒を開けてみます
10000円が入っていることを確認しました
交換しなかった場合の期待値は10000円で確定します
既に③で期待値は求めてあるので、左辺が10000円になるようにXを調節します
1.5X=10000円であるので、X=6666.666....円であることが判明します
封筒の中身を確認したことで今回の場合のXの具体的な値が定まりましたが
逆にいえば、ただそれだけのことです
封筒を交換した場合の期待値も1.5Xですので、当然、求めるべき期待値も10000円となり
交換しても、交換しなくても、期待値は同じです、割と自明ですよね

ではなぜ間違った期待値の計算をしてしまうことがあるのかですが
①と②の左辺に10000円を突っ込んでしまうからです
①の左辺に10000円を突っ込むと、X=10000円となり、右辺は20000円になります
②の左辺に10000円を突っ込むと、X=5000円となり、右辺は5000円になります
ところがここで明らかに問題が発覚してますが、①と②でXの値が変わってしまっています
もとより①と②のXが同じ値であることを前提に数式や理論を組み立ててきたわけですから
これはおかしいです
Xが同じ値を意味していないのであれば、連立させて、足したり引いたりできないです
片方にX=10000円を入れて、もう片方にX=5000円を入れたなら、もう単純な足し引きは出来ないです
なので、右辺の20000円と5000円を足して2で割っても正しい期待値は求まらないのです
Xの値が違うことで、①と②の数式の重みとでも言いますか、意味合いといいますか
スケールが別になってしまっているわけです
20000円と5000円を安易に足すのは、mとcmを単位変換せずに足しているようなものです
だから変な答えが出るのですね

Chidokcat : 2017/07/23 (日) 09:09:12

何度も言っているのですが…

※コメントを頂ける場合、
「URL」欄に御自分のブログまたはサイトのURLを、初回だけで結構です、必ず記入してください。
記入がない、若しくはデタラメの記入と判明した場合は、
削除させて頂きます。

よろしくお願いします。

ななしさんへ、
今回は承認しますが、次回から上記をお願いします。
御自分の考えを公開したいのであれば、それは御自分のブログに書いて、その旨お知らせください。

管理人のみ通知 :

トラックバック


プロフィール

Chidokcat

Author:Chidokcat
本を読むのが異常に遅いクセに、
大の読書好き。
映画も好き、科学も好き。
もちろん、魚も好きです。
ときどき毛玉を吐きます。
よろしくお願いします。
メール: chidokcat(at)yahoo.co.jp

※記事について、
その趣旨・主張を大きく変えないような追加・更新は、適時、特にお断りせず行います。御了承ください。

※コメントを頂ける場合、
「URL」欄に御自分のブログまたはサイトのURLを、初回だけで結構です、必ず記入してください。
記入がない、若しくはデタラメの記入と判明した場合は、削除させて頂きます。
よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
アクセス カウンター