■ 次に ご紹介するのは
三浦俊彦:東京大学 人文社会系研究科美学藝術学専攻 教授 が書いた記事です。
『新型コロナウイルスワクチンが人を危険に晒している6つの状況証拠』を東大教授が解説! … もともと新型コロナワクチンに期待されたのは、感染予防効果ではなく、発症予防効果と重症化予防効果でした。なのに、2回接種者に陽性が出ると「ブレイクスルー感染!」と取り乱し、予定外の3回目「ブースター接種」が宣伝されつつあります。重症化率・死亡率は下がっているのに、何を慌てているのでしょう。 …
初っ端からこれです…。
「重症化率・死亡率は下がっているのに、何を慌てているのでしょう」
だから、「重症化率・死亡率が下がった」のは、ワクチンの お陰なんですけど。
で、それが長くは継続しないことが分かってきたから「慌てている」んですがね
(*1) 。
にも関わらず、三浦、これ以降も、
ワクチン接種”済み”の人達が受けたであろう「恩恵」 は 一切無視 。
それ故、こんなアホなことを…
… ワクチン本来の売りである「発症予防効果」は、mRNAワクチンの場合、95%ほどだと言われました。ワクチンの有効期間とされる半年間[2]をとると、未接種段階で陽性は日本で50万人ほど。陽性者の5割が発症[3]するとして、そのうち95%の発症がワクチンで防止できる[4]とすると、1000人中約2人が恩恵を被ることになります。 発症者の大多数は軽症なので、死亡だけに着目しましょうか。未接種死亡者は半年あたり5000人なので、命を救われるのは10万人に約4人ということです[5]。 …
これ↑一体どういう計算をしているのか 分からなかったので、三浦の掲示板で直接訊いたところ、
「1000人中約2人が(発症しない)恩恵を被る」は
(50万×0.5×0.95)÷1.25億 ≒ 2/1000
「命を救われるのは10万人に約4人」は
(5000×0.95)÷1.25億 ≒ 4/10万
だ そうで…
あの…、
未接種で陽性の50万人全員が”もし”接種を受けていたら と仮定した場合に「恩恵」を受けていたであろう人数を、未接種の隠れ感染者の人数 や 接種済み(9月10日時点で日本の総人口の50%以上が2回接種済 (*2) )で”既に”「恩恵」を受けている人数 なども含まれる日本の総人口で割って、 一体どうする! しかも、どちらの計算も、
ワクチン接種が、感染するリスク、重症化するリスク、死亡するリスク全てを大きく下げる (*3) ことは 一切無視 …。
こんな数字、なんの意味もありゃしない。
それが分かってこんな数字を出してるなら、三浦、卑怯者だし、分かってないなら、ただの馬鹿です。
ということで、
記事は、ワクチン接種のメリットについては、上記のように それが如何に卑小かを読者に印象付けて、それで終わり。
後は、「ワクチンが人を危険に晒している6つの状況証拠」とやら
1.副反応と死亡の現象的連続性
2.他のワクチンとの比較
3.死因の偏り
4.死のタイミングの偏り
5.ワクチン死の年齢
6.2021年の死亡人数
を只々列挙するのみ。
こんなん、例えば、
1.警官の不祥事
2.警官の発砲による傷害や死亡
3.パトカーの追跡による事故死
…
なんかを只々列挙してるのと同じ。
で、ナニ? 警察はいらない っていいたいの? って話です。
ここで留意していてほしいのは、
三浦は「2.他のワクチンとの比較」の際、
… 新型コロナワクチンの死亡率はこの81倍(9月3日時点、1億3305万8203回中1155人死亡(*4)) 。 …
と、
ワクチン接種”後”死亡報告件数”全て”を「新型コロナワクチンの死亡率」の算出に含めて(つまり、この1155例全てをワクチンが原因として)います が、厚労省によると、その内の調査された1,076件の「因果関係評価結果」
(*5) は、
α(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの) 0件
β(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの) 7件
γ(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの) 1,069 件
つまり、2021年9月10日現在、厚労省も三浦同様、「
報告された接種後死亡は”全て”、ワクチンとの因果関係はない 」とはしてい
ない 、三浦と異なるのは、「
報告された接種後死亡は”全て”、ワクチンと因果関係がある 」ではなく、ただ「
報告された接種後死亡の中にワクチンと因果関係があると認められたものはない 」としている
だけ だ、ということです。
それに、厚労省も心筋炎などの副反応が起こることがあるのも認めています。
つまり、厚労省は「ワクチン接種には、それが原因となる死亡などのデメリットはない」としているわけではありません。
それでも、現時点では、ワクチン接種のメリットがデメリットを遥かに凌ぐのは明白であり
(*1) (*3) 、三浦のようにデメリットのみを強調して、ワクチン接種忌避を煽るのは頭の弱い中学生のすることです。
■ ところで、
この
… ワクチンの副反応のことを言うと、次のように反論する人がいます。「ワクチン接種後の死亡とワクチンによる死亡を混同するな。カレーを食った後にたまたま病死した人を列挙してみろ。カレーが死因であるかのように見えるだろうさ!」 … 第四に、死のタイミングの偏り。ワクチン接種後死亡が接種とは独立に起きた死であるならば、報告数は毎日均等であるはずです。しかし実際は、どの集計期間をとっても、接種翌日の死亡が最も多く、ついで二日後、三日後、四日後、当日、という順番になります[11]。これは、当該諸事例の死がワクチンを原因とすることの強力な統計的証拠でしょう。 …
「4.死のタイミングの偏り」については一理あり、これに気付いた人(三浦じゃありません)なかなか鋭いです。
確かに、ワクチン接種から死亡までの経過日数に「偏り」があるのであれは、報告された接種後死亡の中に ワクチンが原因の死亡があった と考えられます。
三浦が拠っているのは
この動画 の この↓グラフ
ですが、私自身でも直接資料
(*5) にあたって、「ワクチン接種から死亡までの経過日数の偏り」をグラフにして、そこから何が分かるか考えてみました。
で、
私の作成した「ワクチン接種から死亡までの経過日数」の集計結果のグラフは次のとおり(横軸は経過日数、縦軸は死亡数、一番右端の水色は31日目以降の死亡者数)。
確かに「偏り」があります。
しかし、だからと言って これらの死亡例”全て”が「ワクチンと因果関係がある」ということにはなりません。
このグラフをみると、死亡数が12日目あたりから ほぼ横這い(というか、なだらかな山)になっていて、これはおそらく「ワクチンと因果関係がある死亡」が12日目あたりで途切れた為だと思われます。
確かに12~15日目の横這い状態以降も 徐々に減少していますが、これは、接種後2週間以降ともなれば、同じような状況の死亡例であっても、経日に伴い、「ワクチンと因果関係がある可能性がある」と現場で判断される傾向が弱くなり、徐々に報告に上げられなくなっていく為 と思われます。
そして、それとは逆に、ワクチン接種後12日以内であっても、三浦のように、実際は「ワクチンと因果関係がない」死亡は”全く”報告されない、と考えるのは不合理です。
なので、
横這い状態の 12~15日の平均 20.75人は、1日あたりの「ワクチンと因果関係がない死亡」と見做すことができ、よって、経過日数毎の死亡者数それぞれを20人で足切りした人数を「ワクチンと因果関係がある死亡」と見做すことができます。すると
ワクチン接種後死亡者数 1,097人中 625人が、つまり、ワクチン接種後死亡の約 57 %が「ワクチンと因果関係がある死亡」と考えられます。
ただ勿論、この数字は あくまで「12日目あたりからの横這いは「ワクチンと因果関係がある死亡」が途切れた為」という私の推測に基づくものなので、現実の数字とは異なるかもしれません。
しかし、それでも、三浦のように、報告のあったワクチン接種後死亡”全て”が「ワクチンと因果関係がある」 とするのは全く不合理であり、報告のあったワクチン接種後死亡の中には無視できない割合で「ワクチンと因果関係がない」死亡も含まれているのは間違いありません。
(*1)
「厚生労働省は、ワクチンによって65歳以上の感染者数を7~8月に10万人以上抑制し、死者を8000人以上減少させる効果があったとの試算をまとめた。政府は「ワクチン効果は明白」として、感染者が増えている未接種世代への接種を急いでいる」
『国民の半数が2回接種を終え、ワクチンの高い効果と限界明らかに 「接種後感染」増え「3回目」へ議論』 https://news.yahoo.co.jp/articles/fec7422e97ddf100d6f9f1cd356a01ea6b2cc3a2
(*2)
YAHOO!の『新型コロナウイルス感染症まとめ』 によると
(厚労省がワクチン接種後死亡1155件を報告した)9月10日時点で
国内の2回接種完了は64,364,711人
よって
2回接種完了率:64,364,000 ÷ 125,000,000 = 約 51.4 %
(*3)
「CDCは9・10日、2021年4月から7月半ばにかけてアメリカ国内で新型コロナウイルスに感染した患者のデータの解析結果を発表しました。
それによると、ワクチンの接種を完了していない人は、接種を終えた人と比べ、死亡するリスクが11倍高く、入院に至るほど重症化するリスクは10倍以上高かったということです。また、コロナウイルスに感染するリスクは4.5倍高かったとしています」
『コロナワクチン未接種者の死亡率、接種者より11倍高い=米国』 https://www.youtube.com/watch?v=ke8or3ZABeQ
https://news.yahoo.co.jp/articles/120953fd3e0893188d7717256cd274b11775a53c
ちなみに、
三浦によれば、
[1] 同じ理屈で、発症した場合に重症化する率は接種者が非接種者の2.5倍、死亡する率は6倍だという。 https://www.youtube.com/watch?v=7IcqQbNyDT0 岡田正彦著『大丈夫か、新型ワクチン』花伝社p.59
だそうですが、
なんか三浦と同じ臭いのする岡田正彦氏 や福岡県議会議員の「理屈」よりも、私はCDCの調査・解析結果の方を信用します。
(*4)
「9月10日開催の前回報告では1155例で…」
『厚労省がワクチン接種後死亡1233事例を報告 前回9.10より78例増加』 https://news.yahoo.co.jp/articles/b3a832f8a3e611da9676fedd59c4eda08e86482c
(*5)
第68回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第17回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 2021年9月10日 資料1-3-1 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注) https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000830623.pdf